マーケットにおいては各企業が同じようなシェアを持っていることはむしろ珍しく、実際には企業がマーケットにおける自らのポジションを確立しています。例えばシェア1位の企業と同じような戦術を取っていると、その1位の企業よりもストレートに優れた製品を作らなければならず、それは容易ではありません。しかし、その企業とは別のポジションで色を出していけば顧客を獲得出来る可能性もあります。それがマーケティングにおけるポジショニングです。
マーケットにおけるシェアが1位かつ、売り上げのウエイトを高く占めている企業をマーケット・リーダーと呼びます。マーケット・リーダーにポジションを置く企業は市場価格に多大な影響を及ぼすことができます経営資源がたくさんあることから他の企業が真似できないような最低コストを実現でき、安定した売り上げを維持することが主な戦略となります。シェアが2位や3位になっている企業をマーケット・チャレンジャーと呼びます。ここにポジションを置く企業はいかに差別化できるかが鍵となります。他の企業とは明確な違いを出していく必要があります。デザインだけでなく、サービスの方法などで差別化することもできます。シェアが4位以下の企業はマーケット・ニッチャーというポジションになります。ここに位置する企業は集中型戦略を取る必要があります。特定の顧客層や特定の商品に絞り込んで、経営資源を集中させます。これにより、他の企業がメインターゲットとしないような層に売り込むことができます。この特定の層を確保できなければ市場に居続けることは困難となります。自社がどのポジションにいるかを把握して、然るべき戦略を取る必要があります。